「420万円払ったのに、問い合わせが1件も来ない…」
こんなホームページ被害が、いまこの瞬間も全国で起きています。
- 初期費用0円
- 本日契約で30%オフ
- 集客に強いSEO付き
そんな甘い言葉を信じて契約した結果、7年縛りの高額リースや、効果がまったく見えないSEO対策を抱え込み、何も成果が出ないままお金と時間だけを失うケースが後を絶ちません。
しかもこうした被害は、ITに詳しくない小規模事業者や個人事業主を狙ったものが中心。営業トークの巧妙さや、契約書の複雑さも相まって、「まさか自分が騙されるなんて…」という後悔が残ります。
この記事では、実際に起きた事例、悪徳業者の典型的な手口、そして信頼できる制作会社を見分けるための5つの視点を、わかりやすく紹介しています。
被害を未然に防ぐために、ぜひ最後までご覧ください。
実録:こんなホームページトラブルが本当に起きている
「そんなの引っかかる人いるの?」
そう思うかもしれません。
けれど、知識がない状態で巧みな営業を受けると、誰でも冷静な判断は難しいものです。
ここでは、実際にあった3つの被害事例をもとに、なぜトラブルが起きるのかを紐解いていきます。
整体院が7年リース契約、総額420万以上
「初期費用は0円です」と言われて契約した整体院の経営者。
- 毎月5万円のリース契約
- 期間は7年(84ヶ月)
- 総額は420万円以上。
納品されたサイトはテンプレートそのままで、結局ほとんど集客に結びつかなかった。途中解約には高額な違約金がかかるため、泣く泣く払い続けるしかなかったという。
SEO対策で月5万円を2年間、なのに順位は「51位」
検索上位表示を謳う業者に依頼。「毎月5万円で内部対策・外部対策もお任せください」と言われたが、
2年たっても…
- 指定キーワードの順位は「51位」
- 問い合わせはゼロ
- 施策内容の報告もなし
効果が出ない理由を尋ねても明確な理由をもらえず、24ヶ月の契約終了となった。
完成したサイトが、素人感丸出し
補助金を活用して「負担なくホームページが作れます」とのことだったが、納品されたのは人に見せられるようなものではない、素人が作ったような低品質なサイト。要望は「あとで反映します」と言われたが反映されず「修正してもらえないか?」と伝えたら、10万円の追加費用が発生すると言われたそうです。
悪徳業者の典型的な手口と営業トーク再現

ここでは、実際によくある相談内容をもとに「こういう営業には気をつけた方がいい」という典型的な手口を紹介します。特定の業者を名指しするのではなく、制作会社としての中立的な立場から注意喚起としてお伝えしています。
手口1:即決営業
ホームページ制作において、もっとも多いのが「今だけ無料」「今日中なら割引」と即決を迫る営業です。契約を急がせることで、冷静な判断を奪うのが狙いです。
「今だけ初期費用が無料です」
「今日中にご契約いただければ3割引になります」
あとで振り返ると「よく考える時間がほしかった」と皆さん口を揃えて言います。
- お得感を演出して冷静な判断を奪う
- 契約書を持ち帰らせず、即決を迫るのが典型的パターン
さらに、迷ったそぶりを見せると「もう一件決まりそうなので」と不安を煽ったりもするそうです。営業に流されず、一晩寝かせる勇気を持ちましょう。
手口2:リース契約
「初期費用0円」と聞こえは良いですが、実はリース契約である場合が多く、月々の支払いが7年続き、総額で数百万円になるケースも珍しくありません。
「初期費用ゼロで始められますよ」
「月々の支払いだけでOKです」
など、「初期ゼロ」の言葉に飛びついた結果、数年間の支払いを縛られたという相談が後を絶ちません。契約書は必ず確認し、リースかどうかを見極めてください。
- 月額を安く見せかけて長期契約に誘導
- 所有権が業者にあり、契約終了後も手元に残らないことも
- 解約には高額な違約金が発生するケースがほとんど
さらに注意すべきは「契約満了後も、ドメインを譲渡してもらえない」ということです。ホームページにとって、ドメインは大切な資産。それを抹消しないようにと、契約の継続を促す業者もあります。
手口3:過剰な成果保証
集客や売上に困っていることを知って、過剰な成果を約束してくる業者には要注意です。SEOや集客は保証できるものではなく、状況によって結果が大きく変わります。
「絶対に順位が上がります」
「毎月10件以上のお問い合わせが来ます」
などの、成果を断言する営業は疑ってかかってください。
- 集客・SEOは“保証できない”のが原則
- 成果を断言する業者は要注意
- 口頭だけでなく、契約書で内容を確認することが重要
「保証する」という言葉に安心してしまう心理を突いてきます。そのため、施策内容や効果検証方法を必ず確認してください。
【参考】SEO 業者の利用を検討する
手口4:見積もりが不明瞭
見積書に「デザイン費 一式」「管理費 一式」としか書かれていない場合は注意が必要です。何が含まれていて、どこから追加費用が発生するのかが曖昧なため、後々のトラブルにつながりやすくなります。
「一式に全部含まれてますよ」
「細かいことはお任せください」
「全部込み」の言葉に安心してしまいがちですが、その言葉ほど危ないものはありません。後からの追加費用で後悔する人が本当に多いです。
- 「一式」や「パック」といった表記で範囲が不明瞭
- 修正や更新のたびに追加料金を請求されることも
- 契約前に詳細な内訳を確認し、書面に残すのが安心
料金表を開示しているからと言って安心せず、誤差がないかを確認しましょう。
手口5:納品後に連絡がつかない
契約までは熱心でも、納品後に連絡がつきにくくなる、修正に時間がかかる、対応が雑になる…こうした事態は決して珍しくありません。保守やサポート体制は、契約時にしっかり確認しておくことが大切です。
「納品後もバッチリサポートします」
「何かあればすぐに対応します」
とは言われますが、サポート契約の中身をあいまいなままにしないようにしましょう。
- サポート対応が遅い、もしくは一切なくなる
- 担当者不在・会社消滅などのリスクも
- 保守契約や更新範囲を明記しておくことが大切
サーバ保守、ページの更新、メンテナンス…などいずれも内容が異なります。運用にかかる費用は必ず事前に把握しましょう。
悪徳業者を見抜くための5つの視点

「プロに任せたのに、なぜこんなことに…」という声が後を絶ちません。多くのケースは業者側の力量不足、あるいは売ることだけを目的とした姿勢が原因です。
しかし、ホームページ制作の現場には“見た目が立派”なだけで中身がない提案も多く、それを見抜くための基準を持たないまま契約してしまうと、気づいたときには手遅れになりがちです。
たとえば
- 実績や得意分野をきちんと聞かずに契約してしまった
- 契約内容に含まれない“今後必要になる費用”を知らなかった
- Web制作といっても、どこに頼むかで成果がまったく違うことを知らなかった
- 曖昧な返答や、書面のないまま話が進んでしまった
だからこそ「見抜く視点」を持つことが重要です。
ここからは、悪徳業者を見抜くための【5つのチェックポイント】を紹介します。
①「どんな成果が出たか?」まで語れるか
ホームページ制作会社の多くは、過去の制作実績を「デザインの綺麗さ」で見せてきます。しかし、見るべきはそこではありません。
本当に確認すべきなのは、「それによって成果が出たのかどうか」。
つまり…
- 問い合わせが月に何件増えたのか
- 検索順位は改善されたのか
- どれだけ売上につながったのか
といった、目的に対する成果です。
単に「作りました」ではなく、「作った結果、どうなったか」まで語れる会社かどうか。それが、信頼できる相手かどうかを見分ける第一歩です。
②「その目的なら、こう進めるべき」と道筋を示してくれるか
「とにかく集客したいんです」と伝えたとき、具体的な提案が返ってくるかは大きな分かれ道です。
良い制作会社は「まずはアクセスを集めるために〇〇から整えましょう」「その後、問い合わせを増やすために□□を追加しましょう」など、目的に対して現実的なロードマップを提示してくれます。
逆に「わかりました、サイト作りましょう」とすぐ着手する業者は注意。目的に対する設計意図や施策の順序がないまま始めてしまえば、たとえ完成しても効果は出ません。
③ 自社の得意・不得意を説明できるか
ホームページ制作会社と一口に言っても、その中身は千差万別。
SEOが得意な会社、広告運用が中心の会社、デザインが専門の事務所、システム開発に強いエンジニアチームなど、それぞれ得意分野がまったく違います。
それにも関わらず、「全部できます」と言い切る会社は要注意。誠実な業者なら「うちはデザインは得意ですが、運用の支援は他社さんと組んでいます」など、得意な領域とそうでない領域をきちんと説明してくれるはずです。
④ 曖昧にしない。書面でも明確なやり取りをするか
質問に対して「とりあえず任せてください」とごまかす会社も存在します。
良い制作会社は、不明点をその場であいまいにせず、後日メールなどで明文化して回答してくれるものです。
契約内容や費用の内訳、納期や修正対応についても、口頭だけでなく書面ベースでやりとりがあるかどうか。ここは信頼関係を築ける相手かどうかを見極める上で、とても重要です。
⑤「作った後」のことを一緒に考えてくれるか
多くのトラブルは「納品後」に起きます。つまり、作って終わりの業者ほど危険なのです。
本当に成果を出すためには、公開後の運用サポートが不可欠です。
たとえば
- 更新の代行や操作レクチャー
- SEOやアクセス解析の改善提案
- 問い合わせデータの分析支援
など、「どう使っていくか」にも伴走する姿勢があるかどうか。そこまで考えてくれる業者こそ、あなたのビジネスの成長を一緒に目指してくれるパートナーです。
比較の視点:価格・実績・体制だけで判断しない
ホームページ制作を依頼するとき、つい「価格が安いか」「デザインが良さそうか」「聞いたことある会社か」などで判断してしまいがちです。
ですが、それだけで選ぶと、後から「こんなはずじゃなかった…」という事態に繋がることもあります。ここでは、比較すべき視点を具体的に紹介します。
A. 価格の比較では「本当に必要な費用」が含まれているか?
「初期費用5万円」「月額1万円だけ」という安さに惹かれて契約してしまい、あとから
- サーバー費用が別途かかる
- 修正対応はすべて追加費用
- ブログ機能を付けるのに5万円
- スマホ対応は別途オプション
という形で、結果的に当初想定の2倍〜3倍の支払いになるケースも少なくありません。
契約前には「その価格に、何が含まれていて、何が含まれていないのか」を確認することが必須です。
B. 実績の比較では「似た業種・目的」での成果を見て
たとえ100件の実績があっても、その中に自分の業種や目的に近い成功事例がなければ、自社にとって有効とは言えません。
たとえば、「地域で整体院をやっている」なら
- 同じ地域で
- 同じ価格帯で
- 同じようにWebで集客したいという目的で
成功した事例があるかどうか。 「誰のために、何の目的で作ったのか」まで確認することが大切です。
C. 体制の比較では「相談しやすさ」「実行支援」も見る
いくら制作物が立派でも、日常的な相談がしづらかったり、質問に答えてもらえなかったりする会社では、うまく運用していけません。
- 打ち合わせがきちんとあるか
- 担当者が明確で、質問にすぐ答えてくれるか
- 納品後のアフターサポートがあるか
- 更新や運用についての提案もしてくれるか
「作って終わり」ではなく「活用して成果を出す」ためのパートナーかどうかを見ることが重要です。
まとめ:ホームページ制作で失敗しないためのチェックリスト
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、この記事の内容をもとに「失敗を避けるためのチェックリスト」をご用意しました。
このチェックにすべて「はい」と言えますか?
□ 目的が明確になっているか?
- 「集客したい」「採用したい」などの目的と、ターゲットが具体化されているか
- 「誰に」「どんな行動をしてもらいたいか」を言葉にできているか
□ 相手に実績があるか?
- 自社と同じような業種・地域・目的の制作事例を確認したか
- 数だけでなく「質」と「結果」に着目したか
□ 費用の内訳が明確か?
- 初期費用、月額費用、オプション費用のすべてを確認したか
- 「これ以外にかかる費用はありますか?」と質問したか
□ 契約内容が適切か?
- 契約期間や解約条件、納品物の範囲が明記されているか
- 内容があいまいなまま「とりあえず契約」していないか
□ サポート体制が整っているか?
- 納品後の修正・更新対応の範囲が明確か
- 担当者と直接やりとりできるか、連絡手段やレスポンスの速さはどうか
最後にひとこと
ホームページ制作は「安い買い物」ではありません。にもかかわらず、多くの事業者が「勢いで」「なんとなく」で契約し、あとから後悔しています。
逆に、きちんと目的を定め、冷静に比較し、信頼できる相手を選べば、ホームページは最強の営業マンになります。
あなたのビジネスにとって最良の選択ができるよう、この記事が少しでも参考になれば幸いです。