「MEO…、意味あるのか?」
そう思いながら続けている方も多いのではないでしょうか。
「MEO対策してるけど、反応がない」
「投稿を頑張っても、順位が動かない」
特に、整体院や整骨院など地域密着型の店舗は、競合も多く、似たような見せ方になりがち。
一生懸命やっているのにお客様は増えない。この見えない壁が、MEOの一番の難しさかもしれません。
もしあなたが「MEOって意味ないよね…」と感じているなら、きっとそれは正しい感覚です。というのも、MEOがうまくいかないと感じるのは、あなたの努力が足りないからではなく、仕組みの問題なのだから。
この記事では、MEOの仕組みをおさらいしながら、なぜ効果が出ないのか、どこに原因があるのかを具体的に掘り下げていきます。
最後まで読めば「MEOは意味ない」という感覚が「なるほど、やり方次第で変わるんだ!」という気づきに変わるはずです。
そもそもMEOとは?意味と仕組みを3分でおさらい
MEOとは「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」の略。簡単に言えば、Googleマップ上で自分の店舗を上位に表示させるための対策のことです。
あなたも一度は「〇〇駅 整体」や「△△市 接骨院」で検索して、上に出てくる3つの院を地図付きで見たことがあると思います。

これが、MEOの対策エリアとなる「ローカルパック」です。
MEOで何が起こっているのか?
検索されたときに、上位3件に入れば、Googleマップ上に写真・名前・口コミ・営業時間などが目立って表示されます。逆に4位以下だと「もっと見る」から展開しないと見てもらえない。つまり、MEOは「入るか・埋もれるか」の戦いなんです。
Googleは、MEOの順位を以下の3つで評価すると公式に発表しています。
- 距離(Proximity):検索ユーザーの現在地からの距離が近い店舗が優先されます。
- 関連性(Relevance):検索キーワードと店舗情報(業種・サービス・紹介文など)の関連性が高いほど上位表示されやすくなります。
- 知名度(Prominence):投稿頻度・クチコミ数・評価点・店舗の話題性など、ネット上での存在感が影響します。
【参考】Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
これらを組み合わせて、どの店舗を表示するか、どの順に出すかをGoogleが自動で決定しています。つまり、MEOは「お客様目線で店舗情報を整え、定期的に動かすこと」が重要な媒体なんです。
とはいえ「表示されているのに、問い合わせがない」というケースも少なくありません。その理由を、次の章で詳しく見ていきましょう。
「MEOは意味ない」と感じてしまう3つの本当の理由
MEO対策をしているのに、まったく反応がない。投稿もして、クチコミも集めているつもりなのに、順位が微動だにしない。「これって意味あるのか…?」と思ってしまうのも、無理はありません。
ここでは、多くの店舗がMEOに取り組む中でつまずいている「本当の原因」を、3つに整理してお伝えします。
① 上位のアカウントを追い越せない
MEOは「ローカルパック(地図に表示される3枠)」に入るかどうかがすべてと言っても過言ではありません。でも現実には、その3枠はすでに地元の有名店で埋まっているケースが非常に多い。
- 開業から10年以上の整骨院
- クチコミが300件以上あり、定期的に投稿もしている
- 地域ポータルやリンク、メディア掲載歴もある
こうした店舗は、Googleからの評価がすでに高く「安定して上位に出る強いアカウント」になっています。そのため、新しく立ち上げたアカウントで勝負しても、プロフィールを埋めただけでは追い越せないのが現実です。
②狙うべきキーワードで上位表示できていない
「当院は “◯◯市 整体” で上位に出るようにしてます」という院もありますが、実際の検索行動はもっと細かく、症状ベース・目的ベースが主流です。
たとえば──
- …骨盤矯正
- …腰痛改善
- …スポーツ整体
- …マタニティ整体
こうした具体的なキーワードで検索されているにもかかわらず、Googleビジネスの中にそれらの言葉が出てこないと、そもそも候補にすら挙がらないんです。
つまり「対策はしているつもり」でも、ズレたキーワードで頑張っていて、検索に引っかかっていない状態が起こっている。このズレこそが、MEOが空回りしてしまう大きな原因のひとつになっています。
③マップエンジンの評価だけでは順位は変わらない
MEOは、Googleによって自動で評価されていますが、その評価基準である「距離」「関連性」「知名度」は、自力で調整しにくい要素ばかりです。
- 距離:ユーザーの位置によって決まるので変えられない
- 関連性:キーワードとの一致度。でもそれが何で判断されているか不透明
- 知名度:クチコミや言及など、蓄積が必要。短期で効果は出ない
つまり、地道にやってもすぐに変化が見えにくい。
しかも競合が強ければ、いくら投稿しても順位は固定されたままということもザラにあります。
この「変化しない」「集客できない」という感覚が「やっぱり意味ないじゃん」という判断に直結してしまうわけです。
とはいえ、MEOがまったく意味ないわけではありません。むしろ、選ばれ方を整えることで、見え方が変わり、反応も変わるのがMEOの強みです。
そのカギとなるのが、次にお伝えする「たった1つの視点」です。
MEOの効果を最大化するために必要なたった1つの視点

ここまで「MEOが意味ない」と感じる理由を見てきましたが、実はそれらすべてに共通する、たった1つの見落としがあります。
それは…「MEOの順位は、Googleビジネスプロフィールだけで決まるわけではない」ということ。
投稿しても、順位が動かない理由
- 情報も埋めた
- 投稿も週1でしている
- クチコミも地道に集めている
…それなのに順位が上がらない。これは決してあなたの努力不足ではありません。
本当の問題は、Googleが「あなたが信頼できる事業者かどうか」を、ビジネスプロフィール以外からも見ているということにあります。
その中でも特に影響が大きいのが、あなたのホームページの信頼性です。
Googleが見ているのは「ネット上の一貫性と信頼度」
Googleは、あなたの店舗が信頼に値するかどうかを判断するために、次のような要素の裏側を見ています。
- どんな人に、どんなサービスを届けているのかが明確であること → 対象顧客や症状、提供する価値が言葉で説明されている
- 誰が提供しているのかが見えること → 院長・スタッフの顔、資格・実績・これまでの歩みがきちんと紹介されている
- 社会に対する責任や姿勢が感じられること → 利用者に対してどうありたいか、どんな理念で仕事をしているかが伝わる
- 発信内容が「整っている」こと → 雰囲気ではなく、伝えるべき情報が正しく、誠実に構成されている
つまり、MEOは「マップ上の勝負」に見えて、実はその下の「Web上での信頼があるかどうか」で勝負が決まっているのです。
MEOは、ホームページの「質」で決まる
MEOはローカルSEOの一部とも言われます。
SEOとは「検索順位を決める仕組み」ですが、MEOも同じく、Webサイト全体の信頼性が評価基準に含まれていると考えたほうが自然です。
- ホームページがない or スカスカ
- 内容が雑 or 古い
- 誰がやっているか分からない
こういう状態だと、Googleは「この店舗、ユーザーに紹介して大丈夫かな?」と判断します。その結果、いくら投稿をがんばっても、そもそも表示枠に入れないのです。
【参考】私たちのホームページ制作
なぜ多くの店舗がMEOでつまずくのか?
MEO対策をしていても、なかなか成果が出ない…。これは決してあなただけではありません。むしろ、MEOに取り組んでいる店舗の多くが、ある共通した理由でつまずいています。
ここでは、見えにくいけれど根深い「よくある落とし穴」を整理してみます。
① 情報を、ただ埋めただけ
MEO対策をはじめると、「まずは投稿をしましょう」「写真を増やしましょう」と言われます。
でも、そのとき意識されがちなのは、
- 投稿している内容に一貫性がない
- 写真が何を伝えたいのか分からない
- プロフィールは定型文を埋めた
- クチコミはお願いして集めた
つまり、「作業としての対策」です。
本来、投稿や写真は「この人に任せたいと思ってもらうための情報設計」であるべきですが、数をこなすことが目的になってしまうと、結果として「誰の、何に、どう効くか」がまったく伝わらない投稿になってしまいます。
② 「何屋さんなのか」が伝わっていない
検索ユーザーが店舗ページを見るのは、ほんの数秒。その瞬間に「このお店は自分に関係あるかどうか」を判断します。
でも多くの店舗で、
- 自費専門か保険診療かが書かれていない
- どの年代・どの悩みに特化しているかが不明確
- 整体院っぽいけど、他店とは何が違うのかわからない
というページになっていて、違いが伝わらずにスルーされてしまうんです。
「地域+整体院」で検索されて、表示されても、結局は「よくわからないお店」として終わってしまうのが非常にもったいない。
③「誰がやっているか」が伝わっていない
店舗ページを見て、顔写真がなく、文章にも想いや姿勢が見えない場合、ユーザーはどう感じるでしょうか?
- ちょっと不安だな…
- 合わなかったらどうしよう
- 他にもあるし、そっちのが良さそう
これは、価格やサービスの問題ではなく、人物像が見えないことによる不安です。
逆に言えば、顔が見えて、想いが伝わって、どんな人かが想像できれば、少しくらい遠くても選ばれる…そんな現象もMEOではよく起こります。
【参考】MEO改善もご支援しています
MEOの効果を実感できるサロンは、何をしているのか?
「投稿してるのに反応がない」
「順位は出ているけど、予約につながらない」
そんな声の一方で、
「毎月5〜10件はGoogleマップ経由の予約が入っている」
「新規のお客様が“口コミとホームページ見て決めました”と言ってくれる」
そんなふうにMEOの成果を実感している院や店舗も、確かに存在します。
その違いはどこにあるのか?
正直、やっていることはシンプルです。
でも「伝え方」と「整え方」に明確な差があります。
クチコミが、お願いではなく「仕組み」になっている
成果が出ている店舗は、Googleクチコミが着実に増えています。でも、それは「お願いしまくってるから」ではありません。
仕組みとして、書きたくなる流れが整っているんです。
たとえば──
- 初回のカウンセリングで、院の方針や考え方をしっかり伝えておく
- 効果を感じやすい2〜3回目に、無理のない形でクチコミをお願いする
- 書いてくれた人には、お礼の返信と次回来院時の感謝を忘れない
- 書きたくなるような満足感を、施術と接客の中に設計している
つまり、クチコミは「お願いして集める」のではなく、体験の質と信頼の積み重ねが“自発的な応援”につながっているということです。
写真が、雰囲気ではなく「判断材料」になっている
成果が出ている店舗は、写真1枚ひとつにも「意図」があります。ただ院内を撮っただけ…ではありません。
- 入口〜受付〜施術スペースを順番に載せている → 初めての方が不安にならないように。
- 余白をとって明るめに撮影 → 清潔さや広さが伝わるように。
このように、写真が「見た目を良くするため」ではなく、選ぶための材料になっているんです。
投稿内容が、営業報告ではなく「来たい人へのメッセージ」になっている
成果が出ていない院は、「今週もよろしくお願いします」や「今日の空き状況」などの営業報告になってしまい、情報として弱い投稿が多い傾向があります。
逆に成果が出ているところでは、
- ぎっくり腰でお悩みの方が今週3名来院されました。共通していた原因は…
- 40代女性に多い、肩のハリについて、よくある誤解を解説します
のように、対象読者を明確に意識した投稿になっており「これ、自分のことかも」と思ってもらえる構成になっています。
プロフィールが、店舗紹介ではなく「選ばれる理由」になっている
「〇〇整体院は、〇〇市にある整体院です」
「肩こり・腰痛・姿勢改善に対応しています」
それだけでは、選ばれるには不十分。
成果が出ている店舗は、プロフィール文の中で
- なぜこの仕事をしているのか
- どんな人の力になりたいと思っているのか
- どんな悩みに強く、どんな結果を目指しているのか
という思いや立場がしっかり書かれています。「この人なら相談してみたい」と思える人格と専門性が伝わっているんです。
今日からできるMEO改善アクション
「スタッフもいないし、時間もない」
そんな整体院のオーナーさんでも、実は今日からできる改善ポイントがあります。むしろ、忙しい中でもできる工夫が、他院と差をつけるポイントになるんです。
「誰に・何を提供しているか」を明記する
曖昧なキャッチコピーより「〇〇の悩みに特化した整体です」「根本改善を重視しています」など、誰向け・何のための院かが、はっきり伝わる言葉を選びましょう。Googleはこの「明確さ」を見ています。
ホームページとビジネスプロフィールの内容を一致させる
メニュー、施術方針、プロフィールなど「両方に書いてあることがズレていないか」を見直してみてください。ここがズレていると「なんか怪しいな」「ちゃんとやってるのかな」と思われ、Googleからの評価も落ちやすくなります。
予約したくなる写真を1枚入れる
院の外観や内観よりも、施術中の様子や、院長が笑顔で対応している写真のほうが反応されやすいです。「自分が行ったときのイメージ」がわく写真を1枚入れるだけで、MEOのクリック率や信頼感が大きく変わります。
口コミには、必ずお礼の返信をする
せっかく書いてくれた口コミに、何も返信しないのは、会話を無視しているのと同じ。
「○○様、素敵なご感想ありがとうございます」
「お身体の状態が改善されて何よりです」
といった一言でもいいので、丁寧な返信を入れることで「あたたかさ」が伝わります。Googleからの評価にもプラスに働くうえ、それを見た他の人への信頼感にもつながります。
MEOは意味ないのではなく、活かしきれていないだけ
「MEOは意味ない」
そう感じてしまうのも、決して間違いではありません。
でもじつは、意味がないのではなく、意味を生み出す設計ができていないだけかもしれません。
というのも、MEOで結果が出ない多くの整体院は「とりあえず写真投稿」や「数だけ増やす口コミ」に頼りがち。本当に効果が出ている院は「誰に・なぜ選ばれるか」という軸を整え、Googleビジネスとホームページを一体化させた設計をしています。
つまり、MEOとは地図上の順位争いではなく「この院に通いたい」と思わせるための選ばれる仕組みをつくるための一つのツールにすぎません。
もし「やってるのに効果が出ない」と感じているなら、それは、あなたの努力が足りないのではなく、伝えるべき相手、伝えるべき内容にズレがあるということ。
MEOは意味がないと解釈するのではなく「意味を持たせる設計が必要だ」と思っていただければ、もっとチャンスが広がっていくでしょう。